感想「やっぱり、実際に故郷を失った人の悲しみは、分からないんだよね」 「朝日のあたる家」
福島県Kaoriさんの感想
ひと言では、表現できないんですが、まず、当時(の雰囲気)を思い出したのと、
ずっと感じている不安な気持ちに山本太郎さんのセリフが
真っ直ぐ刺さって、途中から涙が止まらなかったです。
他のお客さんの中にも、
すすり泣いている方、何人かいらっしゃいました。
最後のマイちゃんの「放射能がなくなったら帰ってくるぞ!」
っていうセリフも、、なんかもう切なくて切なくて。
これは、福島の現状・起こりうる日本の未来を教えてくれる映画だと思うので、
本当に、ひとりでも多くの福島県民以外の方に観て頂きたいです。
だけど、観た人は、「そんな、大袈裟な」って思うかもしれないですよね。
これが現実なのに。
きっと長くなりますが、私が一時帰宅に立ち会った時のお話を、
少しだけしますね。
まず、、薄っぺらな防護服を渡されたのは同じです。
安っぽいガイガーカウンターも渡されました。
(浪江町に入ったものの、数値は最後までほぼ変わらず)
家に着くと、家の周りは荒れ果てて、生い茂った草や背丈以上に伸びた細かな小枝(?)達を、
手と足でかき分けながら進まなくてはならず、
玄関に辿り着くだけでも時間がかかりました。(時間限られているのに..)
そして、家の中に入る際の指示として、
「そのままでは入らないでください。更にもう一枚、足に防護カバーをつけ足してください。
足の底についた放射能を家に入れない為です。
ですので、家に入る時には新たにカバーをつけて、家から出る時には、
そのカバーを外してください。
家に出入りする度に、足の防護カバーをつけたり外したりしてください。」
というものがありました。
実際、家の中に入ってみると、、本震の後、
何度も起こった余震のせいもあったかと思います。
洋服ダンスや棚は全て倒れ、冷蔵庫の中は腐ってて、、
なんていうか、、色が無かったです。全てが灰色に見えました。
彼は、自分の家だから、ギリギリまで居たかったんだと思います。
自分の荷物、お母さんにお願いされた荷物を運び出したあと、
室内や冷蔵庫の中や、すべてを撮影してました。
でも、私は、、一刻も早く、その場を立ち去りたかった。
怖かったんです、とても。
すぐ背後に、”死”や”恐怖”を感じてしまって。
寿命が縮まるんじゃないか、という恐怖、 将来もし赤ちゃんが生まれたら、
その子に影響が出てしまうんじゃないかっていう恐怖です。
それで私は、「早く、出ようよ..」と彼に言ってしまったんですよね。
後から、、彼は、私のそのセリフを聞いて、ものすごく悲しかった、と言ってました。
「やっぱり、実際に故郷を失った人の悲しみは、分からないんだよね。
俺は、最後の1秒まで、あそこ(家)にいたかった・・」
と、言われました。
私も、本当にほんと~~~に、辛かったです。
彼の気持ちを考えてあげられなかったこと、
それでも、自分や未だ見ぬ子供の”未来”を守りたいと思ったこと。
でもそれが、彼の気持ちをとても傷つけてしまったこと。。。
だから、、あかねちゃんが「ここに残る!私の家だもん!」
って言った時、 それを思い出して、本当に辛くて辛くて。 今でも涙でます。
結局、彼の家を少し早めに出て、
そのあと、浪江の町を車内から撮影しながら、指定の体育館に戻りました。
体育館では、東電社員と思われる人にガイガーカウンターを返却するのですが、
その数値をみて、
「0.03マイクロシーベルトなので、○○レベル。問題ありません」
と、無表情でサラっと一言。
・・・・・騙されてる感たっぷりでしたが、何も言えませんよね。
私たちは、舞台挨拶の翌日に本編を観たために、
映画の内容や感想・実際はどうだった、とか、、
そういうお話をすることが出来なかったんですね。
「映画を観たあとだったら、もっと監督と深い話しが出来たかもしれないのにね」と、
帰りの車の中でしゃべってました。
『俺の母ちゃんが観たら、ぜったい大泣きすんだろうなぁ・・・・』
っても言ってましたね。
私たちは映画を観て、帰りの車の中で、
避難することも視野に入れようって話しました。
福島の皆、、だけに限らず、皆さんにも、
迫っている危険に気づいて欲しいです。
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