2014年08月23日
静岡市の映画館が”朝日のあたる家”上映拒否、その情けない理由

本当に残念でならない。
”朝日のあたる家”は静岡県を舞台にした映画。なのに、その地元静岡県の静岡市の映画館では上映拒否という回答が出された。だが、いろいろと疑問が残る。
半年以上も前から依頼していたのに、結論を出すのに、なぜこんなに時間がかかったのか?
同じ静岡県の沼津市では記録的な大ヒット。
正月を超えてのロングランとなっている。映画館としては喉から手が出るほどほしいヒット作なのに、なぜ上映してもらえないのか?
さらに、静岡市周辺からも上映リクエストが多数劇場に届いている。映画を応援したいという団体もたくさん名乗り出ている。映画興行が難しい時代に、これほど恵まれた状況はないのに、なぜ拒否なのか?
そして不思議なのは映画館側の説明。
「上映はしないが、反原発団体等が劇場をレンタルして上映してくれるのは構わない」ーー意味が分からない。なぜ、すぐには上映拒否をせず、半年も経ってから回答。大ヒット確実なのに上映しないのか? そして劇場レンタルならなぜ、OKなのか?
それぞれのピースを繋げれば答えはすぐに出る。
まず、答えが半年も掛かった理由。
当初から”朝日”は話題作だった。山本太郎さんが参議院に当選。上映拒否問題が新聞や雑誌でも記事なり。ネットでも、逆炎上状態が何日も続いた。”朝日を映画館で上映しよう”という声がもの凄いことになった。その事件で「だったらうちで上映します!」という心ある映画館が次々に現れた。
が、静岡市の映画館。
躊躇したのだろう。話題にはなっている。映画がヒットする可能性は高い。儲かるだろう。でも、物語は静岡が舞台。そこで架空の原発事故。そんなものを上映して「何か言われないだろうか?」と心配したと思える。
というのも、静岡県には世界で最も危険と言われる浜岡原発が存在する。映画で事故を起こすのは架空の原発だが、静岡が舞台ということで、その原発をイメージする人がいるかも(?)しれない。
その関係者からクレームが来るのではないか?
と劇場側は考えたのだろう。ただ、「そんな映画を上映しないでくれ!」なんてことを直接言って来る訳はない。上映したからといって電気を止められるということもあり得ない。「でも、何か言われたら、何かあったら怖い」劇場側はそう考えたはずだ。
しかし、すぐには上映拒否をしなかった。なぜか? ”朝日”は各地で大ヒットしたからだ。当初、上映映画館はゼロだったのに、全国で25館まで広がった。北海道から九州まで。各地でヒット。
上映すれば儲かる!!
特に地元が舞台となれば、余計に関心が高まるだろう。劇場側は”多額の収入”と”もし何かあったら”という不安の間で揺れており、返事をためらったと思われる。
そうしたら、先に同じ静岡県沼津市の映画館が手を上げた。予定上映期間を越える記録的大ヒット。正月を超えてのロングランとなった。テレビで大宣伝する有名作品を押さえて、堂々たる興行収入を上げた。
にも関わらず、静岡市の映画館は結果的に上映拒否を選んだ。そして、その直前に浜岡原発の再稼働申請が行われている。とにかく、大きな収益を上げることよりも、「関係者から何か言われるかも?何かされないだろうか?」という不安を拭うことができなかったようだ。
電力会社は巨大な力がある。
恩恵を受ける会社も多い。そんなところから「お前の映画館は何て映画を上映してんだ?」そんな批判を浴びることを怖れたのだろう。だが、収入はほしい。多くの客が映画館に来てほしい。
だから、「反原発団体に映画館を貸して”朝日”を上映するのは構わない」と言ったのである。自分たちが上映するのではない。団体に映画館を貸すだけ。もし、批判を受けてもそう逃げることができる。金はほしいが、揉めたくない。それが劇場側の本音なのだ。
何度も書くが”朝日のあたる家”は原発反対を唱える映画ではない。原発事故を通して家族の絆を見つめる物語。福島の人たちの悲しみを一緒に考えようという作品である。誰かに遠慮することはないはずだ。
この映画館に関わらず。同じ発想の人は多い。とにかく原発のこととは関わりたくない。避けて通りたい。誰が何をするという訳ではないのに、何か言われたら、もし批判されたら嫌だ。だから、関わらないようにする。
疑心暗鬼で自粛。そんな考え方が日本を原発天国にした。そして福島であれだけの惨劇が起こっても、まだ避けて通ろうとする人が多い。静岡市の映画館はそれを象徴している。

Posted by 見廻りくま at 14:28│Comments(0)
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